「益田 グラントワと企画展:石見の戦国武将-戦乱と交易の中世」

a0000029_2123829.jpg


益田に来たら必ず一度は訪れたい。
できればずっと滞在してたいくらいに心地良い。
それがグラントワ。
過去にも紹介したことがあります。
a0000029_21143714.jpg


グラントワというのは愛称で、島根県芸術文化センターという複合施設です。
大きくは「石見(いわみ)美術館」と「いわみ芸術劇場」からなっており、
中には大ホール、展示室、小ホール、美術館ロビー(ライブラリー)、回廊、多目的ホール、
スタジオ、中庭などがあります。ミュージアムショップなども併設されていますよ。
a0000029_2119961.jpg


ロゴマークには島根の「S」と石見(いわみ)の「I」がデザインされています。
島根県は「出雲」「石見」「隠岐」の3つのエリアがあり、
グラントワは石見エリアにあるのです。
a0000029_22154355.jpg


小学生の頃から舞台に立つことが多かったので舞台裏やホワイエにはなじみがあるのですが、
ここ別格!!!!
グラントワの裏、広すぎるし立派すぎるし、
今の小中高生はこんなところで歌ったり演奏したりしてんのかーー!
ってうらやましくなりました。
歌いたくなる衝動ある。来年2018年1月にあるという
グラントワ・カンタート」参加したいわ。。
a0000029_21215138.jpg


この日は美術館で「北野恒富展」が開催中。
a0000029_21425946.jpg


それに合わせて参加無料のイベントも開かれ。
私たちも参加しました。その名も"お座敷あそび体験「花街ってどんなところ?」"
お座敷遊びって男性にとっては憧れ、女性にとっては未知の世界じゃないですかー。
a0000029_21475180.jpg


大阪ミナミにあるお茶屋「たに川」の若旦那と芸妓の多佳さんがいらっしゃってました。
金比羅船々に乗せてすっごく単純な動作をするんですけど、途中で頭がぐちゃぐちゃになる。
ゲシュタルト崩壊して、頭真っ白になりまする。
崩壊してるときの私がニュースに載ってました…。
a0000029_224599.jpg


こういう経験が島根で出来るって、実はすごいことなんじゃないかなって思いました。
東京や京都や大阪だって、そういえばこないだ行った桑名にも芸者の方はいるってお話してたけど、
なかなかお茶屋さんへ行くことなんてない世界で生きてます。
こんな貴重な体験、しかも無料で。
グラントワの若槻館長も飛び入り参加。これでもうお茶屋遊びの準備は万全ですね。
a0000029_2283721.jpg


地元とのつながりも欠かさないグラントワですが、
9月30日からスタートする企画展は、グラントワの所在地である「石見(いわみ)」に特化した
かつてないほどの充実した内容のものになるとのことでした!
それが石見の戦国武将-戦乱と交易の中世

古代史として史跡や古墳が話題となる島根ですが、
少し時代を進めた中世の時代、石見では沢山の武将が活躍していました。
益田の地名を冠した「益田氏」は石見を拠点としていた武将でした。
益田氏11代目、七尾城主益田兼見は菩提寺として建てた「萬福寺」は今も見ることができます。
こちらには雪舟のお庭があり、そちらに注目されがちですが、この立派な屋根は見ごたえあります。
唐招提寺と似た寄棟造りとなっています。
a0000029_22382790.jpg


こちらも過去に記事にしています。
過去記事:石見ツアー 益田 雪舟庭園 萬福寺
この重たい屋根を支えて約640年。
a0000029_2316523.jpg


雪舟は15代益田兼尭(ますだかねたか)に招かれて益田にお庭を2つも残しました。
そのうちのひとつは医光寺(過去記事)です。こちらもとても美しく、いつか桜の時期に訪れてみたい場所です。
そしてもうひとつの庭、萬福寺には雪舟像もありました。
a0000029_2350362.jpg


萬福寺のお庭は石庭です。お庭が小さな宇宙みたいですごいです…!
a0000029_23212326.jpg

心字池の上には中の魚を虎視眈々と狙うサギ。
自然いっぱいの萬福寺です。
a0000029_23235763.jpg


収蔵されている壺は南蛮貿易で日本へもたらされたものということで、各国との交易を表すものです。これも企画展で展示される予定。
「華南三彩貼花文五耳壺」
a0000029_2329897.jpg


またご住職の奥様が熱く語っておられたこの絵は必見です。
「二河白道図」
a0000029_2345095.jpg


お堂はとても広くて、あの大屋根をこれら柱と建具などで支えているというお話を聞きました。
a0000029_23535753.jpg


---
益田氏が居城としていたのが七尾城。
七尾と言っても石川県能登の七尾でもありません、益田の七尾城です。
ここにも行ってみました。
すんごい階段を登って…、
a0000029_2356599.jpg


a0000029_0124297.jpg


階段かなりキツくって、ここ登る方はスニーカーおすすめします。
びっしょびしょに汗かきながら住吉神社まで上り、
満面笑みの狛犬に出会いました。
a0000029_235872.jpg


ここからは山道。
かろうじて草木が生えていないところを道として捉え。
a0000029_23583795.jpg


到着したのは平地でした。
a0000029_2358515.jpg


「ハイ!ここが七尾城でっす。」
自分の持っているもの以上の想像力が必要です。

中世のお城は石垣はなく、木材や土で囲っていたお城が多かったのであまり残らないんですね。
石垣って戦国時代の終わりくらいからが全盛期なんでしょうねー。
a0000029_23593279.jpg


お殿様も見ていたかもしれない益田の街。
山から眺めると街の向こうに海。よく見渡せます。
ここにお城を作った城主の気持ちがわかるなぁ。
赤茶の大きな建物がグラントワ。
a0000029_002856.jpg


で、当然城主は戦時には山に登って城から応戦するのですが、
平時は城ではなく平地にある居館にて住んでいるもの。
それが七尾城からまっすぐ降りたところにある「三宅御土居跡」。
長靴を転がしたような形をしていたことがわかっていて、現在は土の中にその遺跡が眠っています。
a0000029_053811.jpg


鍛冶場跡なども見つかっていて、ここで武器を作っていたことがわかっています。
なんと製鉄もしていたのだとか!
ちょうど足元がその場所でした。
a0000029_062680.jpg


発掘が始まったころ、ここにはお寺とお墓があったということで、現在はそれらを移し終えて
墓石があった場所がそのままになっています。
これが南米辺りの遺跡のような雰囲気を醸し出しており、不思議な景観です。
a0000029_072842.jpg


a0000029_073575.jpg


もうひとつ、中世の遺跡を見に来ました。
車で駐車場に到着した時、まさか…、ちょっと待って…。
a0000029_0135167.jpg


看板は設置されていましたが草っぱらでした。
想像力、想像力…。

ここには港湾が出てきたそうです。
昔はもっと海が陸地に入り込んだ形になっていて、そこで世界と交易を行っていたというのです。
その証拠として船着き場として使われた石を敷き詰めた場所=礫敷(れきじ)きなどが発掘され、
世界の焼き物の欠片などが出てきました。
中世の益田にひろがっていた大きな港遺構。日本にもあまり例がないものであるとのことで、
教科書にも載るレベルだということでした。
この原っぱがねぇ…、アンパンマンもびっくりだよなぁ。
a0000029_0214998.jpg



---

さてこちらは津和野です。
こちらには天空の城とも言われる山城が残っています。

その名も「津和野城」。

坂崎氏の代になり立派な石垣のお城へと改修されます。
その後は11代に渡り亀井氏が城主となりました。
この日は雨の予報を覆し、じりじりと焼ける天候の中お城までのリフトに乗ります!
(後でノースリーブの肩が真っ赤になりました…!)
リフト後山登りがあるので、ここへ行くにもスニーカーなど足元を固めるのを忘れずに。
片道券があるのは登山道があるためです。今回は往復リフト(^^;)
a0000029_0403557.jpg


リフト乗り場で振り返ると津和野の象徴「青野山」が真正面に見えました。
a0000029_044849.jpg


山道です。また大汗かきました(^^;;)
a0000029_0452981.jpg


出丸は改修中。
急な坂道の上にあって、出っ張った感じになっているのでしょうかー
a0000029_0455811.jpg


a0000029_046613.jpg


石垣が見えてきまして比較的大きな石を積んでいることがわかります。
どうやって山の上まで運んだのか…。昔の人の体力はすごいのです。
a0000029_0474260.jpg


a0000029_0475080.jpg


a0000029_048093.jpg


本丸跡に到着したら、津和野の街がミニチュアみたいに見えました。
グラウンドが見えるのは津和野高校。この場所が城主の平時の居館でした。
a0000029_0491185.jpg


美しい石垣でした。
a0000029_0492919.jpg


津和野城からは、
尾根沿いや山道にはあちこちへと抜けられる道があったと言われています。
その一つがお城の鬼門に建てられた「太皷谷谷稲成神社」。
ここ、インバウンドが成功していて外国人観光客が多かったです。
a0000029_0523141.jpg


亀井氏の紋(ひし形4つ)が神紋になっています。
a0000029_0525920.jpg


お殿様のためのお宮として京都の伏見稲荷から勧請しています。
朱塗りが美しい現在の社殿ですが、元宮(旧社殿)もとても雰囲気が良いです。
a0000029_0543841.jpg


またお城から抜ける道があったとされる「鷲原八幡宮」。
こちら初めて行きましたが朽ちた感がまた素晴らしく、大きなお宮です。
a0000029_0561215.jpg


a0000029_0561932.jpg


芝生の道では「流鏑馬」が行われるとして有名です。
a0000029_0563920.jpg


拝殿から本殿に向かって段々と高くなっていくこの造り。
多鳩神社で見た以来で興奮します。
a0000029_0575772.jpg


本殿は檜皮。しかしボロボロで、さらに上の囲いで覆っているようでした。
拝殿の千木や鰹木も今にも落ちそうでした。
早く修繕した方がいいと思う…。
a0000029_0583176.jpg


a0000029_930310.jpg


中腰の狛犬がいました。クラウチングスタートでしょうか。
a0000029_0585450.jpg



---
さらに、亀井氏の関連する神社が「戸田柿本神社」です。
益田は万葉歌人である柿本人麻呂との関係も深いのです。
a0000029_131488.jpg


鬱蒼とした茂みに建物を埋め込むようにして建つ社殿には、手の込んだ彫刻がはめられています。
a0000029_142126.jpg


石見の職人の技が刻まれています。
魂ですよね、職人魂。
a0000029_145449.jpg


そしてここにもひし形4つの亀井の紋があります。
a0000029_151885.jpg


a0000029_165224.jpg


---

グラントワの企画展に関連する、またはその周辺に繋がっていくスポットを沢山巡った旅でした。

一気に書いたけどそのひとつひとつがとても大事な歴史の足跡です。
ちゃんと掘り下げると街の味方が一気に変わっていきますねー。

旅していた3日間、毎日グラントワに立ち寄ってましたが全然飽きない。
28万枚の瓦が色んな色を放ってきれいでした。
a0000029_18494.jpg


a0000029_1113374.jpg


美術館ではファッションの展示にも力を入れていて、この時はヨーロッパの服が展示されていました。
a0000029_1132831.jpg


a0000029_114955.jpg


a0000029_1141810.jpg


赤とんぼ飛び交うグラントワセンター長・澄川喜一氏作の彫刻モニュメント。
a0000029_1151515.jpg


a0000029_1152279.jpg


こんなにも益田に見どころがあったなんて。
盛りだくさんの益田でした。

◆グラントワ企画展
「石見の戦国武将-戦乱と交易の中世」
http://www.grandtoit.jp/exhibition/146

[会場]島根県芸術文化センター・グラントワ
     島根県益田市有明町5番15号 アクセス    
[会期]2017年9月30日(土)~11月13日(月)
[開館時間]10:00~18:30(展示室への入場は18:00まで)
[休館日]毎週火曜日
[会場]展示室D

ますます益田、美味しいものに続きます。







【関連記事】
ますます益田の夏休み
シャインマスカットが雨のように降ってくる!鈴なり農園、椋ぶどう園
益田 グラントワと企画展:石見の戦国武将-戦乱と交易の中世
島根県益田市 旬のフルーツパフェと搾りたて生ジュース。カフェモリタニ
島根県益田 フルーツ&パンのモヌッカ、ぶどうジュースとコンフィチュール
島根県益田市 荒磯温泉荒磯館
うどんの自販機よ永遠に ますます益田ツアー 自販機コーナーオアシス
ますます益田 海に突き出た神秘的な神社 宮ヶ島 衣毘須神社
おいしい益田を新発見。絣のお刺身、じょう一の一寸法師定食、SakeLabo暢ぺの和牛カツレツ
ますます益田最終日 津和野でお城にのぼります!
島根・益田 ラストは堀庭園!と津和野の街並み

---
by 55aiai | 2017-09-04 07:00 |     ∟益田・津和野ツアー | Comments(0)

ライター・西村愛のブログ


by 55aiai(西村 愛)