「仙台 イタリアンレストラン チロル仙台店のコスモポリタン」

この旅で最初にお邪魔したお店は「CLISROAD（クリスロード）商店街」の中にあるチロル 仙台店。
このクリスロードのお店だけでも26年目というチロルは移転前のお店から数えるとすでに40年を超える仙台の老舗イタリアン。

クリスロード商店街を歩いてみます。
屋根があるアーケードって久しぶりです。
日曜日の夕方、人出が多く賑わってます。


店内、ふと思い出したのは東京の銀座シシリア。歴史あるイタリアンとしてもイメージがダブります。
ギンガムチェックのクロス、ちょっとカジュアルで使いやすい。全ての年代に対応出来る雰囲気。
お料理いただきながら大川原 昇社長にお話を伺いました。

盛り合わせは魚とパプリカの甘酢漬け、茄子のカポナータ風、大きなサラミとサラダ。
お持ち帰り用もあるチロル特製ドレッシングでいただきました。


パスタ、茄子とトマトソース。
トマトソースはフレッシュなタイプではなく、しっかり煮込まれてまろやかになった系。
手作り感のある、玉ねぎで甘み、煮詰めて濃厚。

もう1種類はクリーム系。
アスパラ・ベーコン・えびが入ったこってりソース。
ソースは重ためなんだけどクセになる味。どこか懐かしい風味も感じられます。
他の席でもオーダーされていた人気メニューです。
メニュー名は"コスモポリタン"


メインはお肉。
仔牛肉のバルサミコソース。
繊維が柔らかくてしっとりした仔牛肉はチロルの昔からのメニュー。
さっぱりしたバルサミコソースでシンプル。

若鶏のガーリック焼。
香ばしい香りとともに運ばれてくるガーリック焼。
ボリュームもしっかり、食いしん坊も安心。

デミグラスソースに沈んだハンバーグ。
ぐつぐつと音が聞こえてきそうなオーブン料理。
歴史を感じるコクのあるデミグラスが絡む野菜と卵。ファミリーに愛されるメニューです。


3/11当日。
地震発生時はちょうどランチの終わりごろ。店内では一度お客様が引いた後7～8組のお客様。
お店（地下）は長い時間揺れ続けた。
誘導をしなければならないが立っているのも困難な状態だった。
お客様を無事に外まで避難させ、従業員の安全も確保。停電、情報が寸断された中どうにかお店の閉店作業をしたとのこと。
チロルの大川原社長がやっとお店の外に出られたのは地震から1時間半後。
そこで町内の人たちから初めて津波の情報を得たといいます。


3月という季節柄、歓送迎会の予約用に用意してあった食材を沢山持っていたというチロル仙台店。
震災の翌日12日からすぐに炊き出しを開始。電気と食材を使ってなんとかチロルの名物、ピザを焼く。もちろん完璧には出来ない、販売数・時間にも制約がある。あるものだけで作るピザ。
テイクアウトしてもらうための包装資材を緊急に調達し、3月末までピザやパンを販売。時には配って皆さんに喜んでいただいたとのこと。
温かいものがありがたいという震災直後になんとかみんなに食を届けたいという気持ちだった、と大川原社長。
4月になり発生した大きな余震（4月7日、M7.4）ではお店の食器などに被害があり＜やっとこれから＞という時にまたか…という気持ちだったが、さらに営業を続け、やっと正常に戻ってきたのが4月20日頃。
社長個人としては5月になってやっと大船渡のご親族に連絡が取れた、ということでした。

社長のお話を聞きながら…、とにかく夢中で食を提供し続けたその姿勢に敬服させられました。
ピザやパンを提供しながらももっと他にも提供出来ないか、試行してみては断念し再度チャレンジしてみたというご苦労。
今仙台の皆さんが笑顔で食事している姿を見て、万感の思いなのではないでしょうか。

デザート盛り合わせをいただき、おなかいっぱいです。
歓送迎会、パーティーに向いてるボリューム。女性が好みそうな細やかさ。
私がお邪魔した日は学生さんらしきグループが多かったです。


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「チロル」は仙台店のほかに泉中央店があります。
泉区はもともと田んぼだった場所を宅地開発、さらにはベガルタ仙台の本拠地スタジアムがある場所でもあります。
チロル仙台店にお邪魔した次の日に泉店にもお邪魔してきました。

泉区の道路はかなりでこぼこになってます。これでも修復されたところも沢山あるでしょうが、波打った道路を生活道路として使い続けている状態です。
大川原社長からは「泉の辺りは道路がひどいから気をつけて」とお心遣いもいただきましたが想像以上です。。

ベガルタ仙台の選手も良く来るというチロルの泉中央店。仙台店よりも被害が大きかったそうです…。（車で数十分でも被害の様子が大きく違う場所があります。今後被災地に入られる方は、その辺りを良く調べてから入られた方が良いかと思います。）
震災当日、ベガルタ仙台のマルキーニョス選手（現在は退団）がちょうどお店で食事をしていたということで記事に取り上げられたのだとか。

仙台店とはイメージが違って、路面店の明るい雰囲気。

こちらでも店長様に少しだけお話伺いました。
少し落ち着いてから「チロルさんお店やってるね、じゃあみんな大丈夫だったんだね。」って近所の方から言われたんですよーって。
震災地の方たちはみんながみんなを心配して、ちっちゃいことでも心を寄せて、そして感謝して過ごしてらっしゃいます。

チロル泉中央店でいただいたパン。
このパンが震災直後の皆さんの食を支えたと思うと、深いです。


イタリアンレストラン チロル仙台店（ぐるなび）
トラットリア ピッツェリア　チロル泉中央店（ぐるなび）

つづく。


【東北支援project 第1弾：仙台　Presented by 山形食べ頃ドットコム】



【東北支援project 記事まとめ：時系列】
◆東北・仙台から帰ってきました

◆東北支援project　第1弾：仙台　Presented by 山形食べ頃ドットコム（オープニング＆到着するまで）

◆仙台　イタリアンレストラン チロル仙台店のコスモポリタン

◆仙台　飲食業界の方へのインタビューでわかったこと

◆仙台泉区　ステーキ宮 八乙女店のひとくちてっぱんステーキ

◆仙台　和風オイスターバー kakiyaの松島産カキフライと金華サイダー

◆仙台・作並　作並温泉 鷹泉閣 岩松旅館　岩風呂とお部屋

◆仙台・作並温泉　広瀬川と作並こけし平賀謙次郎商店

◆仙台　縁・YENISHI（えにし）の比内地鶏もも焼

◆仙台　牛すじ薪（しん）の牛すじ赤・白

◆仙台　ハミングバードの生パスタ モッツァレラとバジルのアマトリチャーナ

◆仙台　五つぼの焼き鳥・ネギ皮巻き、タタキとお刺身

◆仙台　ままや　仙台駅の山形料理　だし、ひっぱりうどん

◆仙台　フルーツのいたがきのロールケーキ　フルーツロール

◆仙台訪問2011.5.15～17　まとめ




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