「福岡・糸島 千如寺(せんにょじ)大悲王院」
2013年 07月 09日
糸島で一番感動した場所です。
雷山にある千如寺(せんにょじ)。
今まで行ったお寺の中で一番素敵だったー。
そして一番心に響きました。
国宝の観音様を手を伸ばせば届く距離で拝める事が出来た素晴らしさに、ずーっと興奮抑えられませんでした。
なぜ糸島巡りの最初のレポートにこの千如寺を持ってきたかというと、
もちろんその私の興奮が未だ冷めていないこともあるけれど。
このお寺を知ることで、糸島という場所が以前伊都国であった時代からの歴史の一端を垣間見る事が出来る場所であるからです。
現在の糸島市は「前原(まえばる)市・志摩町・二丈町」の1市2町が合併して出来た市です。
さらにその前にさかのぼると、糸島周辺は中国歴史書である魏志倭人伝の中に「伊都国」として繁栄していたという記述があり、はるか昔中国大陸・朝鮮半島との往来の中継地であったことがわかっています。
そんな大陸と日本の文化・宗教など異文化がいち早く伝わる地であったのかもしれません。
糸島エリアにある雷山の当時の様子が「雷山古図」に残っています。
1000年ほど昔、この山の中に300ものお寺があったという当時の地図です。(出典:九州の寺社シリーズ10 雷山千如寺 大悲王院)
1000年前っていうと平安時代だからちょうど空海や遣唐使が密教を学びに中国へ派遣された時代と重なります。
しかしこの大小300のお寺のほとんどが神仏習合、廃仏毀釈などの歴史的な出来事の上に壊されていきました。
明治政府が行った仏教を外来の宗教と捉え排除していった一種の運動によって、今ここにある千如寺の十一面千手千眼観音も焼かれて灰になるところだったようですが、明治3年現在の場所に移されました。
どうやら住民の手によって守られたようです。
※撮影禁止のためパンフレットからお借りました。
頭の上にお顔が11、手の数が1000、その手のひらの真ん中にすべて目があって1000。
よって十一面千手千眼、の観音様です。
高さ4メートル63センチ。見上げる大きさです!
白椿の一木から作られたと言われていた観音ですが、かやの木の寄木造りであることがわかったそう。
ところでこのお寺なのですが、車で山を上がったところにあります。
950メートル余の雷山の真ん中あたりに位置するのですが、台風が近づいていたこの日霧の中に包まれていました。
千如寺は紅葉スポットとしても有名だそう。
四方に手を伸ばした立派な楓。
秋には見事に紅葉するとのことで、ぜひその季節に行ってみたい!(でもすごい人らしい・・・)
まさに十一面千手千眼観音がすべての人を救おうとしている姿と重なりますね。
福岡藩主であった黒田継高公が「雷山千如寺大悲王院」を建立した江戸時代、260年前に植樹したと言われています。
明らかに私よりも若く見えるのにとっても落ち着いた喜多村副住職の案内でお寺をまわらせていただく幸運♪
この日は確かに悪天候だったけど、おかげで緑が輝く美しさ。
「心」という字のように見える池のある『心字(しんじ)庭園』。
灯篭の後ろにある樹齢600年のびゃくしんの木は県指定の天然記念物。
この心字庭園は中庭で多方向から眺めることができ、どこからみても素晴らしいです。
ぐるっと回り込むとつづら折りになった階段が。
上から眺める心字庭園。
高いとこまで来ました。
葉っぱにあたるサーッという雨の音。
空気もしっとり。
霧深くなってきた斜面にびっしりと並ぶ五百羅漢が現れます。
様々な僧侶の顔を表しているという、羅漢さん。
観音様がいらっしゃる本殿の周辺には深堀された壁面彫刻。
なぜか理由わからないままに仕事が途中のものもあり。
本当に素晴らしいお寺でした!
御祈祷というものをしてもらったのが初めてだったからかもしれないけれど・・・。
御開帳された観音像を目の前に聞いたお経が素晴らしすぎて、不謹慎にも立ちあがって拍手しそうになりました・・・・!
お堂に響き渡る太鼓の音と副住職の読経と建物がシンクロして調和して、神秘的な時間でしたー。
最後にはあまり入ることがないだろう奥の客間に入れていただきましてお茶をいただき、
天然記念物のびゃくしんの木を裏側から眺めるという貴重な体験もいたしました。
その後おんなじ雷山にある「雷神社」にある大きな杉の木を見て帰りました。
霧のため墨絵のように美しかったけど、ちょっと命の危険を感じるくらいに深すぎて(迷子になりそう)
そそくさと車に戻りました。
続きます。
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【糸島記事まとめ】
福岡県糸島市へ行ってきました!
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