「島根 世界遺産 石見銀山へ行ってきました」

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2007年に世界遺産に登録された島根県大田市にある石見銀山。
石見と書いて「いわみ」と読みます。
先日佐渡出身の方と話をしていたら「石見と書いていわみと読む」という苗字の方が佐渡には沢山いらっしゃいますよという話。
歴史のつながりを感じた瞬間でした。
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石見銀山へ行った人のレビューなどを読んでみると、歴史を知らずにまわるほど理解しづらい場所であったことがわかります。
先日登録された富士山は「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」という名称で
<世界文化遺産>に登録されましたねー。
石見銀山は世界遺産の中でも「産業遺産・Industrial Heritage」というものに指定されていて、
これが日本では唯一の登録。
世界遺産についてはここ↓ 「i3meguri=遺産めぐり」というステキなアドレスのサイトがわかりやすいです♪
http://www.i3meguri.com/index.html

産業遺産であるということはある時代に世界的な規模・レベルで発展した産業、またその産業技術がその後様々な地域の産業にも利用され発展した、などの産業に影響を与えた遺跡に与えられるもの。
当時の古地図にも正確に場所を把握されていた「Hivami(いわみ)」の文字と「Argenti fodinae(銀鉱山)」の文字。(山陰中央新報サイトより)
いかに世界に影響を与えていたかがわかります。
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そんな石見銀山エリアはいくつかに分かれるのですが、以前訪れた「温泉津」。
難読地名、温泉津と書いて「ゆのつ」です。
温泉津温泉旅(過去記事)


最近東京の友達やお知り合いから島根で行きたいところ、出雲大社の次に出て来るのが「足立美術館」と「石見銀山」。
ならばきちんと勉強しておこうと、石見銀山へお出かけです。





まずは出雲市内から向かったのは道の駅ロード銀山。
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先日東京で開催したイベントで、ここからお取り寄せしたものがあったのです。
それは、この周辺だけで食べられている「天ぷらまんじゅう」
これは間違った食べ方ですw ほんとは衣をつけて揚げます。
写真がないので、検索してもらえると嬉しいですw
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でも残念ながらロード銀山ですぐ食べられるてんぷらまんじゅうは無かったんですよね。
他の場所で食べられるところを聞いたんだけどやっぱりなかった・・・、もったいないな。

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その後、石見銀山の近くにある「中村ブレイス」へ。
ご存じでしょうか、中村ブレイス株式会社。
国際的に有名な義足・義肢を作る会社です。
世界中に顧客を持つこの医療機器企業がこの小さな町、島根県大田市にあるのです。
社屋がすてき。
石見銀山の代官所跡地のすぐ横に、景観を壊さない姿。
また、少し離れたところにメディカルアート研究所があります。築150年の酒蔵を移築したそう。
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早速石見銀山の街並みを歩きます。
駐車場からは、川を左に見ながら赤瓦の街の道を歩いていきます。
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私が前に訪問したのは世界遺産に登録中、て時だったから、その頃に比べたらずいぶんとお店が増えました。
古民家を使った様々なお店。
玄関先もキレイにしてあります。
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夏です・・・、あー暑い。。
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後ろに竹の山を背負った街。
どのおうちも大きいです。
石見銀山はかつて「天領」と言って幕府の管轄エリアであったので、代官がきちんと管理されていました。
よってそれぞれの位によって邸宅が与えられていました。どこもものすごく大きいです。
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昔の家屋の展示場みたい!
時間をかけて見て行きたいです。
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今回とても楽しいことがありました♪
こちらも新しいお店なのですが、以前は外からしか見る事が出来なかった古い美容室が古いままになって展示場&和田珍味のフラッグ店となっていたことです。
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和田珍味とは石見銀山のある大田市の地元企業で、海産物を取り扱うお店です。
島根県民にはなじみのあるお店♪
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お茶をふるまっていらっしゃいました。冷たくておいし☆
昔のまんまの道具が展示されていてとても興味深いです。
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ぜひぜひここは立ち寄っていただきたいです。
ここがそのまんま、古道具屋さんのよう。
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さてその後に立ち寄ったのは重富製パン。
ここのおはぎパンを購入したかったから!
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ふっくら、手作りなパンがずらりと。
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おはぎが丸ごと入ったおはぎパン。
不思議だなー、パンの中にお米。
おはぎのつぶつぶ加減はかなりお餅に近くつぶされていて食べやすい。
あんこも甘さ控えめで美味しかったです。
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重富製パンです。目の前には休憩所もありますよ。
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小高いところから街を眺めてみる。
瓦の家を見ると、実家帰ってきたなーと思う。特にこの赤い屋根。
ところどころに黒い瓦もあります。
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ここからの道のりもまた長いです・・・。
レンタサイクルがあるので、それでまわるのもアリですよ!
でも最後の最後、間歩(まぶ)と呼ばれる坑道の近くになってくると自転車も乗り入れ禁止です。
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暑いので日陰を探しながら歩く・・・
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だんだん道の端の写真が多くなってくる・・・(笑)
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まだまだー
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みんなに人気のコーヒー屋さんはとりあえず通りすぎ、ランチで予約しているお店に急ぎます。
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おされなディスプレイしてるなー。
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東京にも支店が沢山ある群言堂、ブラハウス。
品ぞろえ素晴らしいです。
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そしてランチ、やっと到着!
咄々庵(とつとつあん)。
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「咄」の字は驚きという意味があるそう。
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たまご色の壁。
小布施を思い出す色です(過去記事)。こっちのがもう少し黄色いかなあ。
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席の外に美しいお庭が見えます。
このお庭は整えすぎない日本庭園。自然に近い鬱蒼とした緑が目に優しいです。
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季節感。
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島根特有の(笑)
新築祝いなどに贈られる、般若のお面です!
数か月前までこの存在を知らなかったのですが、実はうちの実家にもあるそうです(笑)
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両親は自家製野菜を使った旬のおかずを小皿で盛り合わせた田舎御膳、1,575円。
私は季節のせいろ蒸し御膳。おそばがついてるの!
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野菜の天ぷらはカリッとふわっと揚がってる。
しかもどのお皿もとても美しい。
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せいろ蒸しは大山地鶏。
アツアツほかほか。
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中のお庭に近い席でしたが、カウンターも楽しそう。
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カウンターの中に、井戸がありましたよ。
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さてここからはいよいよ山です。
道はきちんと舗装された道と、プチトレッキング出来る山側の道があります。
私はアスファルトの道を歩きましたがこれが・・・結構暑いです。
そして距離あります。行かれる方は靴などしっかり足元固めた方がいいです。
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山に近づくにつれ、近づけないけれども坑道が出てきました。
昔ここで沢山の人たちが銀と銅を掘り出していたわけです。
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きちんと勉強するとなるほどな~と思うことが沢山あるのですが、
岩山を掘って行くわけです。当然粉じんもひどく暑い中または寒い中ひたすら山を掘っていたのですね。
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坑道の正確な数はわかりませんが600ほど見つかっているようです。
全てナンバリングされていますが、この中現在見る事が出来るのは2つです。
全員が掘っていたわけではなく、穴の奥まで空気を送る(風箱というもので風を奥へ送る)役目だったり外に石を運び出す役(柄山負)など分担されていたようです。
特に大変だったのが地下水ということで、穴の中ではずっと水との戦いだったということです。
竹ポンプで水をくみ出す役目もいたようです。
掘っていたのは12~13歳の子(堀子=坑夫)だったと読みましたが、あれ?罪人じゃないの?そのあたり勉強不足です。
ただ30歳を迎えることが出来ればお頭付が出て来るというほど珍しいことだったとか。
非常に過酷です。
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あの途中の散髪屋さんに飾ってあったのですが、これは螺灯(らとう)。
サザエの殻にごま油などを中に入れて穴の中の灯りにしていました。
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実際そういう絵も残されています。
純粋な油は手に入れられなかったため、油のすすや煙も坑内に漂っていたと思われます。。
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一応の終着点、龍源寺間歩。以前は無料でしたが世界遺産になってから有料になりました。
補強などもされていて、中がきっちり見れます。沢山の方がいらっしゃってました!
近づいた瞬間から急に涼しい風を感じます。
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こちらが龍源寺間歩の入り口。
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真っ暗で、頭も低いです。
一本の長い坑道があり、そこから横へ何本も脇道があります。
掘って行った当時の様子が目の前に浮かぶようです。
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どう見ても、立てない小さい横穴。
寝そべって掘ってたんだろうか。。
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間歩を出てきたところで鉱石を見せてもらいましたよ。
さてどれが銀でしょう?
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キラキラしてるところなのかと思ったら、
黒いところなんですって!
これを取りだす「灰吹き法」というやり方は、日本で初めて石見銀山で行われたという。
それが日本中の銀山へと伝えられていったということです。
黒い、ラインになってるのが銀。
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帰り路でも沢山の間歩。
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もうひとつの入れる間歩、大久保間歩はここからさらに入る上、曜日で限定されてガイド付でないとみれないらしい。
次回はぜひそこを見たいと思ってます!
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by 55aiai | 2013-08-30 08:30 |  ∟江津市 | Comments(0)

ライター・西村愛のブログ


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