「岐阜・恵那市岩村 城下町と五平餅 あまから岩村店」
2017年 03月 21日
岩村城からも眼下に見える石見の城下町。
みんなが欲しかったこの地域は戦が絶えなかったと思いますが、その分日々何か出来事が起きていて、藩に暮らす人々と藩主・藩兵との関係も深かったのではないかな、などと勝手に想像しながら歩きます。
城下町にある建物は江戸時代から続くものも多く、重要伝統的建造物群保存地区=重伝建に指定されています。
色々なところに城下町や古い町並みを残す場所はありますが、ここは距離が比較的長く、また全体に統一感があり見応えもあります。電線・電柱も地中化してあって建物好きにはゆっくりと見て歩くことができます。
古き良きもあり、またいい具合に新しさと清潔さがあって、町が一丸となって保存に力を入れていることがわかります。市民それぞれもまた自宅をきれいに改装して民宿にしていたりお店にしていたり、市に保存を任すため安価で手放したりしたことで古いままに多くの建物が残されたことは、地域の保存方法として学ぶところがあると思います。
統一感を感じさせるひとつとして、染ののれんがあります。
藍色ののれんには女城主がいた岩村城を表現する、それぞれのお宅の女性の名前が染められています。
家はひとつのお城みたいなものですよね。そこの女主人の名前を掲げているんです。
ここに住んでいた人たちの町を残したいと思う気持ちと意識の高さが感じられました。
岩村城も、お城は残っていないし石垣も崩れたり残っていなかったりしているんですが、それでも復元しまくっているのが岩村の皆さんです。
すごいことだと思います。目的意識がはっきりしているし、ブランディングもしっかり。
いくつもの家が開放されて見学できます。
木村家住宅。名家です。
岩村藩が困難にぶつかったときには金品を用立てしていたといわれています。
お殿様が立ち寄る時のために、専用の入り口がありました。
ここを見学する頃には雪が降ってきていました。(3月です…!)
間口がとても広いのは財力の証です。
京都と同じく間口の広さで税金が決められていたからです。
犬矢来もありました。
欄間は透かし彫り。
藩主・松平乗保からもらったうずら。
乗保さんは浜田からお嫁さんもらってるので親近感あるわぁ。
もうちょっといいものあげてほしかったけど(笑)
お殿様がいらっしゃるお部屋は床の間がふすま張りになっています。
これはいざ!という時破って向こう側へ逃げられるようにだったようです。
そしてそこから地下に逃げ道があり、外へ出られるようになっていたそうです。
↓のき下に逃げ道がつながっている。
こちらは木村家がたった一度、掲げた看板。
明治天皇から遣わされた「勅使」がお休みになる場所に置かれたものでした。
明治天皇がなぜ勅使を岩村へ送ったのか、というのは「岩村神社」へ行くとわかります。
天皇と深い関わりがある人物が岩村にいたことが理由です。
朝のお散歩中にたまたま撮影していたのですが、大切な石碑でした。
一条 信能(いちじょうのぶよし)という人は後鳥羽上皇の側近でした。
後鳥羽上皇が北条義時に挑んで敗れた承久の乱の後、岩村の地で処刑されてしまいました。
岩村の人々はそれ以来岩村神社でずっと弔いを続けています。
一条宰相が亡くなったのは32歳だったそうです。
庭へ行くとなまこ壁があるのですが、
一部は木村家の家紋の形になっています。
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土佐屋。
ここは藍染商人のお宅。
藍は今でも徳島県の特産品ですが、「土佐屋」という屋号もきっと四国から藍を取り寄せていた証でしょう。
箱庭を通り抜けて奥へはいると、
藍染の工房が残っています。
壺の中に火を入れ、藍を温めながら使っていたようです。
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勝川家。
勝川家は材木や年貢米を管理する藩直属の商家でした。
床材は岩村城で使われていたけやき材、
天井板は美しい木目の屋久杉です。
窓の下に見えるのは大きな米蔵。
年貢米いっぱいだったんでしょうね~
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矢野書店の上には「屋根神様」。
愛知県や岐阜県の独特の文化なのだそう。
屋根の上に神棚がむき出しになっているんですね!
もう少し岩村方面へと降りると高札がかけられた庚申堂。
いわゆる大事な出来事や申し伝えが掲げられる掲示板です。
水半名物販売店。
菊牛蒡味噌漬が売られています。
店内も雰囲気あり!
菊牛蒡。
しゃきしゃきとして、口の奥がきゅっとするしょっぱさにお茶が合う(笑)
切り口が菊のようなので菊牛蒡。命名したのは岩村の偉人の一人に数えられる三好学博士。
そこから曲がって加納家へと。
さっきは神様、今度はかわいい狛犬。
加納屋は鉄砲を作っていました。
お昼には五平餅を食べました。
これ食べたかったんだ!
つくね状のごはんを半殺しにしたお餅に、醤油ベース、くるみなどを入れたたれを目いっぱい絡めるの!
へんなものが一切入っておりません。
たれだけでも売られています。
甘すぎなくてちゃんとごはんになります。
たくさん購入している方もいました。
あぁまた食べたい。
岩村城下町、続きまーす。
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