「第5回古代歴史文化賞大賞決定!”タネをまく縄文人 最新科学が覆す農耕の起源”」

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今年も帝国ホテルにおいて、古代歴史文化賞大賞の発表がありました。
第5回古代歴史文化賞大賞は、

タネをまく縄文人: 最新科学が覆す農耕の起源 」 
吉川弘文館
著者:小畑弘己(熊本大学教授)   でした!


選定過程は以下のとおりです。
4月20日に委員会を開催し、そこで今年の選定方法などを確認・決定。
各出版社などから推薦を受けたものに対し、重複などを除いて最終40作品から
大賞候補5作品へと絞り込み。
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ノミネート5作品は以下の通りです!

(右から)
■「海の向こうから見た倭国」 講談社
著者:高田貫太 (国立歴史民俗博物館准教授、総合研究大学院大学准教授)

■「古建築を復元する 過去と現在の架け橋」 吉川弘文館
著者:海野聡 (奈良文化財研究所研究員)

■「タネをまく縄文人 最新科学が覆す農耕の起源」 吉川弘文館
著者:小畑弘己(熊本大学教授)
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■「神話で読みとく古代日本-古事記・日本書紀・風土記」 筑摩書房
著者:松本直樹 (早稲田大学教授)

■「『日本書紀』の呪縛」 集英社
著者:吉田一彦(名古屋市立大学教授)
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いくらその道の権威といえども審査員って40作品全部読むのよね?
自分の専門があればあるほど読むの難しいんじゃないかなあ…。
そんな審査員の皆様がコチラ。
金田章裕氏(京都大学名誉教授、京都府立京都学・歴彩館 館長)
田辺征夫氏(公益財団法人 大阪府文化財センター 理事長、元独立行政法人奈良文化財研究所 所長)
草野満代氏(フリーアナウンサー)
久留島典子氏(東京大学副学長、東京大学附属図書館 館長)
平川南氏(大学共同利用機関法人人間文化研究機構 理事、山梨県立博物館 館長)
毛利和雄氏(瀬戸内港町文化研究所 代表、元NHK解説委員)
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すでにノミネート作品として選ばれただけでも名誉ということで、
受賞者の皆さんには緊張の色が…。
しかしですよ、ちょっとほっこり、緩む時間がやってまいりました。
5つの副賞(記念品)のくじ引きTIME。
主催各県(島根県、三重県、奈良県、和歌山県、宮崎県)の特産品がどどーんと当たります。

でもこれ、どう反応していいかはっきり言ってわかんないよね(笑)
喜びすぎてもがっかりしても。目の前に県知事いるしな~(^^;)

まずは高田さん!
奈良県桜井市にある「オーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井」宿泊券と県内各地の逸品。
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お次は海野さん!
県内産のプレミアブランドに認定された商品詰め合わせ。南高梅や熊野牛などと共に紀州漆器をセット。
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松本さんは宮崎県!
宮崎のうまいもの詰め合わせ。太陽のたまご(完熟マンゴー)や日向夏が贈呈されるとのこと。
季節ごとに送られてくるのかな?それもいいなー。
先日和牛日本一になった宮崎牛やお茶などもあるそうです。お茶は都城かなぁ~
高千穂の神楽面もいいな。
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だんだん残り少なくなってきました。
小畑さんは三重県!
うむむ、志摩観光ホテル ザ・クラシックの宿泊券、松坂牛すきやき肉1キロ。
1キロ…!
あと伊勢型紙。毎年見栄えのする三重県。
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そして最後に残った島根県は吉田さんの元へ。
もっとも古代歴史っぽい島根県は毎年、出雲国風土記に出てくる食べ物、つまり古代から
出雲の地の名産として親しまれていたものの詰め合わせ。
勾玉や十六島海苔(日本で最高の海苔と言われている岩のり)、しじみやのどぐろ、仁多米、
島根県産米の佐香米を使った日本酒など。
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皆さんへ目録として渡されます。
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大賞:「タネをまく縄文人 最新科学が覆す農耕の起源」
縄文人は狩猟ではなく既に農耕をお混っていたということを証明した本。
縄文土器に残る圧痕から植物の種や昆虫などがいたこと、また小豆や大豆、あわ・きび・ひえなど
が栽培されていたことを見つけた。
コクゾウムシ(米食い虫)が縄文時代の遺跡から見つかることから、
稲作の開始時期などを推測し言及している。




優秀作品賞:「海の向こうから見た倭国」
古墳時代の日韓交流が行われていたということを、発掘資料から明らかにしている。
朝鮮半島側の古墳などを調べることで日韓交易の多様性の指摘や日本列島の勢力図の再検討など
にも言及している。



優秀作品賞:「古建築を復元する 過去と現在の架け橋」
歴史研究者ではなく工学部建築学科で建築物研究を行っている筆者が、古代木造建築の復元を
行っていく上で、どのように復元していくのかといった方法論を通して古代の建築物を紹介したり
構造説明を行っている。最後の方で出雲大社の復元についても出てきます。


優秀作品賞:「神話で読みとく古代日本-古事記・日本書紀・風土記」
古事記・日本書記・風土記の一文を取り上げつつそれを丁寧に解説している。神話はただの「お話」
ではなく歴史的意義があったとする。ヤマタノオロチ退治が出雲国風土記に書かれていないことに
触れてある。



優秀作品賞:「『日本書紀』の呪縛」 
日本書記から読み取れる神話と歴史の事実を照らし合わせながら、歴史書としての呪縛を解くべく
自由な発想で読み直す必要性を提唱している。




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by 55aiai | 2017-11-03 07:00 | *日記・お知らせ | Comments(0)

ライター・西村愛のブログ


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