自分の備忘録的に残しておきます。
NHK松江放送局で制作していただきました番組に出演しました。
「さんいんスペシャル 殿が育んだ「茶の湯の街」~松平不昧と松江~」
今までもなんどかテレビには出演させてもらっていたのですが、
今回の番組はスペシャルということもあって
丁寧に丁寧に番組が作られているところを現場で拝見し、
プロのお仕事を間近で見ることが出来たとても幸せな時間でした。
島根とゆかりがない方だと島根を旅していてもあまり実感しないかもしれませんが、
島根県の中でも一部、おそらく松江市と出雲市はよーくお茶を飲みます。
お茶といっても煎茶じゃないですよ、抹茶。
お話を聞くと松江のコアな方たちは1日に4回のお抹茶タイム。そしてその中で2回くらい和菓子を召し上がるのだと。
お抹茶ってお代わりOKなので私も二服いただくことあるんですが、
しかし今回初めて知ったのは、お代わりした後に「白湯」を持ってこられたこと。
私が不思議がっていたら「え?なんで?(当たり前でしょ)」的な雰囲気だったのですが、
これは最後にお口直しというか、お抹茶で終わらずお湯で口を洗い流す飲み方なのだそう。
お茶を良く飲む地方ならではだと思いました。
ロケハンも素晴らしく、かなりしっかり組み立てられていたのですが、
その都度現場で一番良い方を選択していくチームの方たち。
セリフも決まってるところもありましたけれども、あくまでも私の言葉を尊重していただきまして、
実際に体験した感想なども使っていただきました。
この番組の主人公「松平不昧」という人は、松平治郷という名前のお殿様。
松江藩の松平七代目で、ジリ貧の藩の経済を立て直した人と言われています。
経済立て直しのために朝鮮人参を育てさせ利益を得たのですが、
今でも島根は朝鮮人参が特産品です。
また、治郷が誰でもお茶が楽しめるようにと茶の湯文化を奨励したのも
現在「不昧流」として松江を中心に息づく文化です。
昔は、自分の趣味の茶道具に散財したお殿様という言われ方もしていたように記憶していますが、
日本の宝である大事な茶器をきちんと蒐集して流出や紛失を防ぎ、
しかもそれを目録「雲州蔵帳」に書き残し、
今で言う国宝や国重文などにあたるような”格付け”を自ら行っていました。
さらには御用達の窯に好みの茶わんを作らせたり、和菓子のデザインしたり、
お茶室に向かう庭を全てプロデュースしたり、すごい才能の持ち主でした。
お茶に対しては何事をも惜しまず徹底的に興味を示す…。
ある意味ヲタクです(笑) 茶ヲタという新しいジャンル(笑)
普段入ることのできない独楽庵。
おそばを食べる時にしか行かない伝承館ですが、すごいものがあったんですね。
人が普段はいらない場所だから、やぶ蚊が一斉に襲ってきました…(笑)
伝承館の過去記事。
番組の中でも紹介しましたが、
この不昧と言う人は、お茶の席で粋な話が出来てその時間を楽しめる相手
であれば身分を問わず同席させたようで、
自らが体験した江戸文化などをそこで披露したのではないかなと思います。
現代でいうと色んなトレンドを茶席でみんなにシェアしていたわけで、
松江の人の文化的レベルはそういうところから上がっていったと思われます。
今の松江の文化を形作った人なので、松江にとって非常に大事な人だった不昧さん。
その不昧さんは今年没後200年ということで、松江では色んな催しが行われています。
お城のまわりを巡る堀川遊覧では、お茶を飲みながらまわれる船も登場していました。
他の船とは違い、畳敷き。
島根県立美術館では、
11月4日まで国宝や重要文化財が集まった「大名茶人 松平不昧」が開催中。
お客さんも多く、内容も充実していました。
県美は宍道湖沿いで夕日を見るスポットとしても良い場所です。
そしてこのロケでお会いした方たち、ありがとうございましたー。
最後に撮ってもらったチーム写真がありえないくらいブレブレでした(笑)
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