「第6回古代歴史文化賞 今年の大賞が発表」

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今年もこの季節がやってまいりました。
古代歴史文化に関する書籍の中から今年の一冊を決める「古代歴史文化賞」。
この記者発表会に参加させていただき4回目。
記者の人たちの興奮度が年々上がっているのを現場で感じております。

この賞は、現在江戸東京博物館で開催されている企画展と同様、自治体が連携しているところがすばらしいー



三重県、奈良県、和歌山県、島根県、宮崎県の5県連携。
島根県が音頭を取っているということで、島根県古代文化センターの皆様より
毎回お声かけてもらっています。
何年か参加させてもらっていると古代史の世界の動きも気になるようになってきて、
この古代文化賞を取った方たちが活躍されている姿などにも注目するようになりました。

過去のレポートはこちらです。

今年の選考対象書籍は70冊。正味選考書籍49冊(重複を除いた冊数)。
審査員の方たちってこれ全部読むんでしょう…?(;゚Д゚)
でも古代史や歴史の世界って、いくつ文献や論文を読んだのかっていう戦いでもあるんだろうな。
ここから5冊に絞り込みます。
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ある意味素人にとってとっても難しい学問の世界なのですが、
この賞は業界の方たちのためにあるものではなくて
私のような古代史や歴史が全く分からない人のために選ばれる本。
つまり、
学術的にはちゃんと成立しているけどド素人でもわかりやすく読めるよ、
っていうものを選んでくれているんです。

今年の大賞は
『儀式でうたうやまと歌 木簡に書き琴を奏でる』(塙書房)
著者 犬飼 隆氏
でした!!

大賞には正賞として天皇にも献上された「美保岐玉(みほぎだま)」が贈られます。
また副賞として100万円が贈呈されました。
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つやっつやの美保岐玉(みほぎだま)。
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こちらは遺跡から出土する木簡に書かれた「歌」を探ることで、
日本の和歌の起源を論じたもの。
本の中で使われる題目が全てその章や項の結論になっていて、
目次を読むだけでもこの本がどういうことを書いているのがわかるほど。
ですます調でとても柔らかく書いてあるので読みやすいです。


ここからは優秀作品賞です。
皆様にも表彰と目録が贈られました。
副賞が各30万円ずつ贈られました。
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『古墳の古代史 東アジアのなかの日本』(ちくま書房)
森下 章司氏
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この本は「前方後円墳」という日本独自の古墳はどのように成り立ち、
それらは世界的に見てどんなものだったのか、が書かれてあります。
例えば大陸の墳墓とはここが一緒でここは違うなど、比較論が述べてあり、
古代の人たちが大陸からやってきた墓という概念をどんな風に捉えていたのか
など、古代へのイメージが膨らみます。
そもそも前方後円墳って?という方もいるかもしれないのですが、
大陸の特徴を持つ墳墓が作られた時代から3世紀ごろになると
日本(倭)の中で作られ始めた墳墓があり、それが前方後円墳なのです。
私でもあの鍵穴みたいな前方後円墳って不思議な形だなーって思うけど、
「あれは特徴的だ!」ってこの本にも書いてあってホッとしました。


『日本神話はいかに描かれてきたか 近代国家が求めたイメージ』(新潮選書)
及川 智早氏
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神話が好きな方にとっては目からうろこの解釈がわかりやすくまとめてあります。
明治期以降の解釈で捉えられた神話が現在に伝わっているとすれば、それは
聖書などと同じく、解釈する人や思想や政治や文化によって変化するのは
当然のことでもありましょう。
挿絵が多く読みやすいです。


『文明に抗した弥生の人びと』(吉川弘文館)
寺前 直人氏
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様々な視点から弥生時代を解剖した本。私にはちょっとむずかしかったです。
大陸からの新しい文化がやってきて弥生時代が形成されたという考え方だけでなく、
内側からの発展や変化、さらにそれらは一遍通りではなく地域ごとに違いがあるという
説の提唱がなされた本です。


『倭の五王 王位継承と五世紀の東アジア』(中公新書)
河内 春人氏
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5世紀に登場する5人の王、讃・珍・済・興・武が行った中国との交流、
貢物を持って朝貢した使者派遣などを通し、大陸と日本(倭)との
関係や外交交渉する狙いや目的などを分析されています。
古事記、日本書紀、中国史書から抽出した王の時代ごとの大陸の情勢などにも
触れられています。


今回も恒例の、5県からの記念品が贈られました。
各県ともかなり豪華なものが贈られます。
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最後にみんなでフォトセッション。
年々記者が多くなって盛り上がりを感じる~
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by 55aiai | 2018-11-07 07:00 |   ●千代田区 | Comments(0)

ライター・西村愛のブログ


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