「日比谷 日生劇場見学」

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色んなところに旅をして、そして色んな町や物を見て。
なんとなく感じていらっしゃる方もいるかもしれませんけれども、
だんだん歴史的な建築物が好きになってきて。

広島では平和記念聖堂を見ました。
山口でも渡辺翁記念会館を見ました。
どちらも同じ建築家。
東京では新高輪プリンスホテル。
今度、目黒区役所も行こうと思っていますけども。

まずは見学予約を入れていってきたのが日生劇場。
全て「村野藤吾」が建築に携わっています。

帝国ホテルの目の前で、今までは素通りしていた場所です。
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足もとにはモザイク柄。
大理石で造られていて、白はイタリア産、黒はベルギー産。
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入口の扉もすてき。
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ロビーは天井高で広々。
ちょっとライティングは暗めなのですがそれらも当時のままです。
しかし天井に描かれたランダムな照明はとてもきれいです。
左右対称でもなくって色んなデザインが散りばめられてる。
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日生劇場は名前のとおり「日本生命保険」が創業70周年を迎えて建設した劇場です。
1963年に竣工しました。隣には日本生命オフィスビルと併設し造られました。
当時社長であった弘世 現氏は子供のころにみた「青い鳥」に感銘を受け、
これからの未来ある子供たちにも同じ想いをさせてあげたいという気持ちから、劇場建設を目指したそうです。

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床は総大理石。
柱とのつなぎ目が芸術的なカーブでつながれていた。
色んな意味で時代の豊かさを感じます。

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柱は花崗岩。外壁と同じもの。
こちら、指さしている直線は人工的な直線ではなく、フリーハンドで描いたように完全なまっすぐではない。
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受付台。
エグいぐらいに大理石!
マーブル模様の大理石がふんだんに使われています。
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大理石はこんな風にも使われていました。
4枚を組み合わせた、逆さ富士。
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屋根材はアルミですっきり。
異素材を組み合わせるのは現代アートにおいてもよく行われる手法ですね。
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ロビーからは2階へ上がる大階段。
天井の波打つ照明もポイントです。
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細い手すり。
芸術を押し出すデザイン。
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他に、螺旋階段もあります。
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支える足も手すりも細い。
細いラインがより優美さを感じさせますね。
一段大理石がかませてあり、軽いイメージにするため少し浮かせてあります。
掃除が大変だ(笑)
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ここで使われた赤いカーペットが中2階のデザインへとつながっていきます。
大階段正面の様子。
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中2階と2階のロビーは埋め尽くすほどの赤が多用されています。
ロビーの机と椅子。
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椅子やテーブルのデザインも村野藤吾。
大切に使われているのがとてもうれしい。
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南部鉄器の柱で支えられた螺旋階段。
好きなだけデザイン詰め込んだ感じ。楽しいだろうなあ作るの。
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ロビーからの入口にはアクリルの取っ手。
これ、割れないんですかね!?
って思っちゃいます。実際修繕は不可能に近いということで、大切に大切に使われているということ。
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蝶々のような取っ手もありますよ。
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さて会場内部です。
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光が当たらないとなかなかわからないと思うのですが、
これ、金箔が貼ってあるのです。
会場全体に貼られています。
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キラキラと光ります。
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会場全体は緩やかに波打つデザイン。
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ロビーから内部においても単純なカーブや直線はなく、計算できないデザインが継続していく感じ。
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天井にはアコヤ貝を極薄に削ったものが貼られています。
たまにひらひらと落ちてくるという話です…!
フジツボのようなモチーフの上に、天井の様子がわかるかと思います。
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このアコヤ貝がぎゅっと密になっているところと、粗くなっているところ。
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照明の入れ方も独特。
本当にホールとして合っているのかは疑問…

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撮りきれなくて、撮りながら話を聞くこともできなくて。
感想は「すごい」」。とにかくソレ。
見学も10人以上いらしたと思います。みんなこういうのがお好きそうな方で、
色んな質問を飛ばしてました。
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見学は無料ですが、劇場で何も行われていない日に限られます。
メールで申し込みをし、候補日を合わせていく感じになります。
日生劇場お問い合わせフォームからとなります。
https://www.nissaytheatre.or.jp/contact/

会場で観劇する際、会場内は撮影禁止となることが多いかと思いますし、
---きちんと見てみたい、撮影したい方には見学申し込みをオススメします♪





---

Commented by pollini3 at 2019-08-06 14:12
日生劇場にはこれまで何度か足を運んできましたが、建築そのものにはここまで注意を払ってきませんでした。螺旋階段に大階段、みごとです。直線よりも曲線を尊ぶ村野藤吾の美意識が隅々まで生かされています。これが今から50年前の東京オリンピック前に造られたとは驚きです。

今から30年以上前に、建築を権威や権力の象徴とする建築観に対して、「間口は狭く奥行きは深く」に理想を見いだす村野の建築作品に興味をもったことがありました。東京で残るのは、目黒区役所(旧千代田生命本社ビル)。ここにも正面に大きな螺旋階段があるはず。行ってみたくなりました。



Commented by 55aiai at 2019-08-07 19:33
pollini3さん
大変ごぶさたしています。
コメントありがとうございます。
人がざわざわしている時だとあまり建物に目がいかないかもしれません。見学申し込みをして建物に注目したのは正解でした。
目黒区役所も今度行ってみようと思っていたところです。
そうですね、曲線の美しさ、細かいところにもカーブを作ったり、奥行きを感じさせるために視野を建物でコントロールされたりしている部分がありました。また、あえて入口やロビーをシンプルにして会場内を華やかに感じさせるような工夫もあったように思います。
by 55aiai | 2019-08-06 07:00 |   ●千代田区 | Comments(2)

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