
崎浦地域の赤尾・友住を散策しました。
ここはこの後で訪問することになる、
世界遺産を構成する「頭が島天主堂」の関連でちらっと見る程度と思っていたのだけれど…
この旅で、私が一番撮影に熱が入った場所でした。
この地域そのものも国の重要文化的景観として登録されています。
周辺から採掘された「五島石」は様々な場所に運ばれていましたが、この地域はそれら石を使い家や道を整備しました。
石畳や各戸に、そして石積みの神社などを見ることができました。

「孕(はらみ)神社」。
安産の神様を祀ります。神様の名前はストレートに「孕大明神」。
石鳥居は全国どこにでもあると思うのですが、
社殿がある石垣が何層にもなっていてお城みたいです。
この地域に残る伝説にある身ごもっていた奥方の転覆遭難を悲しみ祀られた神社です。
あ、伝説じゃないかも、実話かもしれないです。ただ600年以上前の話です。
神社奥の方には鯨塚もありました。

集落には石積みの光景が広がります。しかし、これでもずいぶん少なくなったようです。
手押し車を押すお年寄りには石畳の道は歩きづらく、
風情ある雰囲気は日常の利便性に押されて、どんどん舗装された道へと変わっていきました。
これは致し方ないことだと思います。
それでもまだ、少しは残っているんです。
ただ、数年後にはもっと無くなっているんだと思います。
道に敷かれた石畳、家々を区切る石積み、そして壁の代わりに使われた腰板石。
これらが一度に見られるスポットも数多くはありませんでした。
なだらかではない集落を、石積みで住みやすく作り上げた昔の人たちの作品のようでした。
後に手すりが加えられたようです。
ほとんど人に会わなかったのですが、まだまだここで住まわれている方は多くいます。
この景観の中に”特別でない暮らし”があるということにロマン感じました。
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