真冬の雪上「森林セラピー」モニターツアーに参加してきました。
何度も体験させてもらっているこの森林セラピー。
私ね、実はというといっちばん最初の頃はあまり信じていなかったんですよね、森林から得られる効果や森林が持つ”癒しの効果”というものを。
これがはっきりわかるようになったのは、自宅で植物を育てるようになってからかもしれません。
もちろん、森林セラピーに参加するとスーッと気持ちが落ち着くような、心が穏やかになってリラックスするのは感じられるのです。でもやはり続けないから、あっという間に現実に戻っちゃう。
それが植物を育てるようになってから、木々の見方も変わったのかな?森林の中にいる自分と日常の自分の乖離が少し狭まったというか。
だから、
今回はまた今までとは全く違う感覚で森を感じられるのではないかなって、楽しみに参加してきました。
新幹線で東京駅→長野駅まで。そこからはしなの鉄道に乗って。
長野の山は高いよねー。いつもそう思うわ。
到着したのは黒姫駅。
野尻湖や黒姫山、黒姫高原、また俳人として知られる小林一茶の生誕地でもあります。
駅そばがおいしそうでした…
信濃町は人口7,600人、標高700mに位置する小さな町。妙高戸隠連山国立公園の一部で、もうすぐそこが新潟です。
平均気温9.4度、北海道・札幌とほぼ変わらない気温で、夏は大正時代に開かれた野尻湖畔の別荘地・避暑地、冬はウィンタースポーツが盛んな町として有名です。
平成の大合併の際に、他市町村に依存しないまちづくりのひとつとして『森林の活用』を考えたのが始まりで、自然を利用した様々な取り組みのひとつが「森林セラピー」でした。
森林散策や森林浴といった森林の中で行うアクティビティに加え、森林セラピーは名前のとおり「療法」が加わります。
なので心身ともに健康であるために、ちょっとストレスを抱えているという一般的な現代人の悩みから十分な心のケアが必要な人、身体に障がいを持っている人まで、それぞれの程度に合わせたメニューで行い、心とからだを整えていきます。
信濃町はC.Wニコル氏が暮らし、自らの手で荒れた森林の木々や花々、生態系を整備していった「アファンの森」がある場所でもあります。
今回の体験のスタートは、C.Wニコル・アファンの森財団の持ち物であるログハウスにて。
この建物はC.Wニコル氏もいた場所であり、寄附によって建てられています。
床や壁は杉材、柱は檜、カラマツの階段など地元の材料を使用。
一般に入れる場所ではないということで、今回は特別。ありがたい!
まずは「キッチンアルム」のマクロビランチ。
ヘルシーなのに色もきれいでおいしい。
季節感ある桜の花がとてもよかった!ごはんは信濃町産米。何気に漬け物がおいしくて、テンション上がりました。長野と言えば漬け物のイメージだから(笑)
おかずには、
車麩の照り焼き煮、ソイミートハンバーグ、豆腐のみそ漬けなど。
クロモジ茶も。
参加者の中には知らない人もいたかもだけど、クロモジ茶っておいしいですよね。
私は海士町の「ふくぎ茶」を良くいただいているので、とてもなじみがある~
お腹満たしてちょっと緊張もほぐれたところで、「アートセラピー」を受けます。お題に対して絵を描いて、その絵から深層心理を浮き出して、体調やメンタル改善へのアドバイスを行う療法のひとつ。
わたし的には、自分自身を客観的に知るためのものだったかもしれないな。
クレヨン久しぶり(笑)
絵を描いた後はみんなで発表し合って、感じたことを言い合う。
これって、チームビルディングなんかにも役立ちそう。
そうそう森林セラピーって取り入れている企業も多く、研修の一環だったり福利厚生だったりするそうです。
絵は他言無用ということで写真なしです。ちなみにわたしの絵は下手で見せられませんが、私の絵からは「仕事ばかり」というのがわかったそうです(笑)
絵を描いていた机はミズナラ。きれいなテーブルだったな。
途中、手づくりのおやついただいたんだけど。
さつまいものお菓子(手前)も奥のりんごチップスも、なんでこんなにおいしいんだろね?
木の香りのする部屋で、手づくりのお菓子食べるなんて東京だったらお値段いくらつける?(笑)こんなのが日常だとか、長野はどんなポテンシャルなの…
「森林セラピーに行くのが楽しみでしょうがない!」
って気持ちは、ある程度余裕がないと生まれないかもしれない。だから本当に必要な心やからだの病を持っている人には、半強制的なきっかけも必要かもしれません。
ちなみに最初に書いた<最初はあまり森林セラピーの効果を信じていなかった>っていう私自身も、余裕がなかったり、もしかしたら森林セラピーが要らないと思い込んでいたからかもしれません。
森林セラピーの科学的裏付けや信濃町の活動についての講義もあり、より知識も深まりました。
何度かこの話は聞いたことがあって、実際にセラピー後には自律神経が整ったり血圧低下などが起こるということが証明されている。
例えば深呼吸で呼吸を整えることは良いことというのはそろそろ常識になりつつあるけれど、その深呼吸を都会でするのと森の中でするのとでは圧倒的に後者の方が良いに決まってる。新鮮な酸素、きれいな空気、自然の音や香りを感じながらするわけなのです。そのひと呼吸ひと呼吸がからだの中に入り込んでいく実感すら感じるような、特別な呼吸になるわけだから。
それらを日本よりももっともっと自然の中で暮らす国の人たちが見つけて、保険適用されている国もあるとのこと。
リモート仕事が定着してきた今こそ、森林セラピーでもう一度チームを築き直したり、日頃の空間を飛び出して全く違う世界「森」を体験してもいい時期かもしれない。
信濃町ではガイドとかセラピストという言い方はせず、案内人や森林セラピーの十分な知識を持った人たちのことを『メディカルトレーナー』と呼びます。メディカルトレーナーは、アロマセラピストなどの資格を有し、町が認定しています。単なるガイドではなく、科学的根拠のもとで癒しと健康をサポートしてくれます。
信濃町では「癒しの森の宿」も認定。そのひとつログペンションセシルクラブ。
(これでも雪が少ないそうです…)
夜ごはんは地元のものが多く使われていておいしかった!
特に信州サーモン。長野に来たら一度は食べたい。
あっさりしてて好きなんだよねー
ログペンションて泊まるのいつぶりだろう。。
お部屋のお風呂にはバスソルトおいてあって嬉しかった。
めちゃくちゃ静かだしおこもり感あるし。
知らなかったけど夜中ずっと雪が降ってたみたい。
朝ごはん。
焼きたてパンおいしかったな!高原のごはんて感じ。
朝ごはんを食べ終わったら出発!
ここからが本番。
冬の森林セラピーへ。
スノーシュー履いて、新雪の上を歩きます。
歩くの必死すぎて写真あんまりないけど。次の日全身筋肉痛だったけど。笑
川渡ったり、雪の中走って下ったり。
童心に帰るっていっても、こんな雪の世界子どもの頃経験したことないけどね。
楽しみながらゆるゆるとプログラムをやっていくのですが、強制でもなくマストでもなく、やれることをゆっくりのんびり、楽しみながらやる感じです。
とにかくキレイでしたよ、雪が積もる森。
この森は針葉樹と広葉樹が交じり合ってて、見る場所によって景色が違って面白かった。春や夏なら葉っぱの違いもあって、それも面白いかもしれない。
途中落葉松が植えられているところがあって、小林秀雄作曲・野上彰作詞「落葉松」の歌詞がずっと頭に出てきてたよね。
これも軽井沢で書かれたってことで、やっぱり長野か!(群馬かもしれないw)
落葉松の秋の雨に私の手が濡れる
落葉松の夜の雨に私の心が濡れる
落葉松の陽のある雨に私の思い出が濡れる
落葉松の小鳥の雨に私の乾いた眼が濡れる…
3月の雪で水分含んだ重めの雪だったけど、ふわふわと落ちてくる雪を見るだけでも癒される。
これが1/fゆらぎか…
深呼吸したり、
植物の香りをかいだり、観察したり、
気に入った場所でしずかに過ごしたり。
森とひとつになれる瞬間が一瞬でもあれば、わたし的には成功。そのためには頭を空っぽにしなくちゃいけないという、現代人には難しい時間が必要なんだな…
最後はみんなでそり遊びして終わり!
今回の森林セラピーは、本当に自分の中にしっかり落とし込めた。
実感あった!
その時の心持ちで、森林セラピーの感じ方も全然違うなと思いました。
寒い森林セラピーも暑い森林セラピーも、どっちもいいな。
最後はおいしいそばで締めくくり!
漬け物最高じゃん。
長野はいいなぁいろんなおそばがある。
真っ白さらしなだけじゃないんだー
信濃町の森林セラピー 詳しくはこちら
長野に行けないしばらくは、自宅の観葉植物に癒されよう。
(↓アルニコは閉館しています)